質問:寸法を作図する際の黒丸表示が遅い
私はオートキャド(AutoCAD)で図面を作図する際に、寸法線の矢印を「黒丸」に設定しています。
これは一般的な設定だと思うのですが、画面を拡大しながら寸法線を移動させたりする場合、黒丸の表示にやたらと時間がかかってしまいます。
少し動かすたびに、新しく黒丸を表示しなおす感じで、操作が思うように進みません。もう少し黒丸の表示をスムーズにしたいのですが、どうすれば良いでしょうか。
■回答■
黒丸の表示ですか…。個人的な話で申し訳ありませんが、ちょっと懐かしいです。
実は私も、他の人のパソコンでオートキャド(AutoCAD)を使って簡単な作業をした際に、同じような疑問を抱いたことがありました。
自分のパソコンでは気にならなかった黒丸の表示が、ちょっと借りただけのパソコンではやけに遅く感じるのです。
当時私が使っていたパソコンの方が、全然スペックが劣っていたにも関わらず、です。
そこで色々と調べたのですが、その結果、二つの設定にたどり着きました。設定は簡単ですので、今からその設定を紹介しますね。
■DRAGP1
再生ドラッグモードでの入力のサンプリング周期を設定します。
…スミマセン。これはヘルプの内容をそのまま引用したものです。オートキャド(AutoCAD)のヘルプはお世辞にも分かりやすいとは言えませんが、この項目も例外ではないようですね。
これではよく分かりません。当然と言っていいのかは分かりませんが、私も全然分かりませんでした。
オブジェクトを移動させた時、カーソルの位置に合わせて移動するオブジェクトが表示されます。これをドラッグと呼ぶ訳ですが、その表示の周期をここでは設定できるんですね。
…あまりヘルプの説明と変わりませんね。要するに、ここでその周期を短く設定すると、表示に時間がかかる。と、そのくらいの認識で問題はないでしょう。
設定方法は以下の通りです。
①システム変数の入力
コマンド待ちの状態で「DRAGP1」t入力してEnterを押します。
②設定値の入力
DRAGP1 の新しい値を入力 :
上記のような表示が出ますので、ここで0から32767の数値を入力します。初期値は10です。
小さくすると表示の周期が短く(表示に時間がかかる)なり、大きくすると周期が長く(表示に時間がかからなく)なります。
とりあえず100くらいに設定をしておけばそれほど不満に感じることはないと思います。
試しにこの設定を1にして、黒丸を画面いっぱいに表示させながら移動をしてみると、この設定の持つ意味が何となく分かると思いますよ。
③設定の完了
これで設定は完了です。
ちなみに、同じような設定として「DRAGP2」というシステム変数もあります。ここでは高速ドラッグモードでの周期を設定することができます。
■些細なことでも
この設定自体は簡単に済ませることができますが、「こういう設定はないのか?」と疑問に思い、調べることはなかなか難しいものです。
オートキャド(AutoCAD)を同じ環境で使いながら、私は「?」と思って調べましたが、遅いままで作業をしていた同僚は、そのまま疑問に感じないまま使い続けていました。
そこにはどんな違いがあるのでしょうか。
これは、その能力や頭の良さとは全く関係のない部分、「どうしたらもっと便利に使えるか」と考え続けるかどうかで決まるのではないかと私は考えています。
私の同僚はこの設定には気付きませんでしたが、非常に優秀な作図者でもあります。私はこの設定知っていますが、それは少なくとも私の能力が同僚よりも高いからではありません。
知っているか、知らないか。その違いしかないんですね。
ですから、オートキャド(AutoCAD)で作図している際に、少しでも不便に感じることがあれば、それは操作を改善するチャンスだと思い、その都度改善策がないかを調べる癖をつけましょう。
もちろんそうした改善策がない場合も多いですが、時には今まで知らなかった便利な操作を知ることができます。
こうしたチャンスを逃さないで、自分のスキルにどんどん反映させていきましょう。