質問:オブジェクトスナップで交点がピック出来ない-1
オートキャド(AutoCAD)で図面を作図する際に、同じ図面データにも関わらず、オブジェクトスナップで交点がピック出来ないことがあります。
もちろんオブジェクトスナップの設定で、きちんと「交点」にチェックを入れています。
うまくピック出来ないのは、まずポリラインを作図してその中をハッチングし、作成したハッチングと交わる線との交点です。
同じ図面でも、普通にピックすることが出来る箇所もあるのですが、なぜ交点がピック出来ないのでしょうか。
■回答■
オートキャド(AutoCAD)の図面上で、オブジェクトスナップが効かないというのは、作図をしていて非常につらいことだと思います。
いつも当たり前に使っている機能ですから、やはりそこだけ使えなくなると困りますよね。
オートキャド(AutoCAD)の図面上でオブジェクトスナップが出来なくなるのは、いくつかの原因が考えられます。
頂いた質問を読むと「多分これじゃないか」というのもあるのですが、せっかくですから一通りの原因を書いておきますね。
原因1:Z軸の座標が違う
オートキャド(AutoCAD)は基本的に3次元での作図が可能なCADです。
ですから、普段あまり気にせずに作図をしていても、移動などで座標の指定を間違えると高さ情報を持った線を作図してしまうことになります。
例えば上図では線が2本作図されていますが、実は黄色い線がZ=0で、赤い線はZ座標=3000で作図されています。
当然上から見下ろしているので、同じZ座標上に描かれていると思ってしまいがちですが、斜めから見るとこんな感じになっています。
分かりやすくする為に、それぞれの線上Z座標=0の丸印を付けてみましたが、いかがでしょうか。
赤い線と黄色い線とは、平面上で見ると完全に重なっているのですが、斜めから見ると全然違う座標にあることが分かると思います。
この場合、線のデータ同士は交わっていませんので、絶対に交点をとることは出来ないんです。
解決方法としては、まず赤い線を選択し、オブジェクトプロパティ管理画面で同じZ座標に移動させるしかありません。
あくまでも「交点」ですから交わっていない点はピック出来ません。なので線同士を交わらせるしか方法がないということですね。
他人の作図した図面を利用したりする場合、そのデータで間違えて「Z座標」が入力されたりしている危険があります。
データを利用して、その線の「端点」などをコピーの基準点などにした場合、知らないうちに「Z座標が0ではない線」が広まってしまいます。
オブジェクトスナップで「交点」がピック出来ない場合、かなりの確率で「Z座標」が原因であると思われます。
図面の印刷はあくまでも平面ですから、印刷結果に影響を及ぼすことはありませんが、少しずつ作図がやりにくくなって来るので注意が必要です。
ちょっと長くなってしまいましたので、他に考えられる原因については次回にお話しをしたいと思います。